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一戸建ては木造が一般的ですが、軽量鉄骨造を採用するケースも見られます。軽量鉄骨造は、木造とは異なる特徴があるため、場合によっては採用を検討してみてもよいでしょう。ここでは、軽量鉄骨造の特徴やメリット、デメリットについて解説します。
軽量鉄骨造は、厚さが6mm未満の鉄骨を使用した構造を言います。主にプレハブ工法で採用されており、柱や梁、筋交い(ブレース)に鉄骨を使用しているのが特徴です。Steelの頭文字を取り、S造と呼ばれる場合もあります。アパートなどの集合住宅でよく見られる構造ですが、一戸建てでも普及しています。なお、厚さが6mmを超えた鉄骨を使用した構造は重量鉄骨造と呼ばれており、軽量鉄骨造とは区分されています。
軽量鉄骨造は耐用年数が長いのが特徴です。木造の耐用年数は22年とされる一方、厚さ3〜4mmの鉄骨は27年、4mm以上のものは34年となっています。鉄骨を使用しているため、木造のようにシロアリの被害に悩まされるリスクもありません。
参照元:国税庁公式HP(https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html)
品質が安定しているのもメリットといえます。軽量鉄骨造は部材が規格化されており、建築現場では部材を組み立てるのみで済みます。職人の腕に左右されることがありませんので、安定した品質の住まいを建てられます。
鉄は木材よりも強度があるため、耐久性も確保できます。地震で柱が折れるリスクも低いことから、住まいの耐震性も高められます。もしもの地震や災害に備えたいなら、軽量鉄骨造を検討してみてはいかがでしょうか。
一方、軽量鉄骨造は間取りの自由度が低いというデメリットがあります。骨組みが鉄骨でできているため、柱の位置を変えたり、壁を撤去したりすることが困難です。将来的にリフォームする際も、こうした制約がリフォームプランに影響する可能性があります。
断熱性能が低い点にも注意が必要です。木材に比べ、鉄は熱を通しやすい性質があります。そのため、対策しないと夏は暑く、冬は寒い住まいになりかねません。樹脂サッシや断熱材で気密性・断熱性を高めたり、遮熱塗料を採用したりなどの工夫が必要です。
防音性の低さもネックとなります。軽量鉄骨造の防音性は、木造と比べてほぼ同じであり、生活音が近隣に届いてしまう場合もあります。もし生活音を外に漏らしたくない方は、遮音性・防音性の高い素材を活用しましょう。